林業のこと

5月1日

圃場にて檜育種

 はじめての林業体験です。林業といっても山仕事ではなく今日は農作業と変わりません。
 今、思えばあたりまえの話ですが山に植える苗を何処かで作らなければいけないのです。その苗を作る為に畑にヒノキの種を撒く作業です。
 しっとりと濡らした檜の種を畦の上にパラパラと均一に撒いていきます。隣の畑には二年経ったもの、三年経ったものがあり、四年後にやっと苗になるそうです。僕らが撒いたこの檜が何十年後には山に立派に生えている事を祈ってこの作業をしました。

5月8日

雪起こし

 今年の冬は全国的に大雪でこの鳥取でも雪による杉、檜の倒壊をまねきました。
 今日は植林されて間もない若木の雪起こし作業です。この作業は背中にリュックを背負い、中に麻ひもを入れて、植林した山の中を歩きながら行ないます。この冬に雪によって倒れかけた木をこの麻ひもを使って、引っ張り起こして他の木や草に結んで起き上がらせる作業です。
 生まれて始めての本格的な山仕事でした。作業自体はそれ程ハードではないのですが山の斜面を歩き回るのが結構しんどい作業でした。
 山仕事の良い点は昼飯がたいへん美味しく食べれる事です。山の中を歩き回ってお腹がすいた後の弁当は格別美味しく食べれます。そして、その後の昼寝が心地よかったのです。ただし、作業が終り家につくと疲労の為、何も家事が出来なくなりました。

5月15日

植林

 森林組合で働く人たちは二つの違ったお金(給料)のもらいかたをします。一つは月給制、もう一つは歩合制です。指導員の方や経験年数の浅い方たちが月給制で、「自分達でバリバリ稼げるゾ。」という人たちは歩合制で働いています。今日の植林作業では歩合制の人たちとご一緒です。
 現場は今までで一番の山奥です。まずは植林する檜や杉の苗を林道から現場へ運ばなければいけません。林道からの下りであればたいした事はありませんが、今日は登りです。それも標高差30m〜50mほどあります。この苗はポットに入っています。と、いう事は土がしっかりと付いていて、無茶苦茶重いのです。現場の一番低い所までは皆さんで苗を運んでくれ、一回だけの登りで済みましたが、既にこの作業で息はゼイゼイで、胸はバコバコいってました。
 まずは植林の仕方を教わりました。何本かの苗を持ち、およそ等高線状に鍬で距離を測って、穴を掘り、植えていきます。苗を現場まで運んでしまえば農業とそう変わりありません。理解できたら、皆さんは山向こうの他の現場に行ってしまいました。なぜなら、歩合制なのです。僕らに一日中付き合っていてはお金にならないからです。
 僕らは黙々と植林をしていきました。そして、お昼。誰も居ない山作業中の山で食べる弁当は最高に美味しく、また、タバコも格別に美味しく感じられました。
 作業再開。しかし、雨が降ってきました。小降りから少々強い雨に変わって来たところで、不安になり携帯電話のかかるところまで降り、確認。「少々の雨ならば全部植林してしまって下さい。」との返答。戻ってみると雨は小降りになっていて、作業再開。そして、完了。
 山仕事のしんどさを再確認した一日でした。

5月18・19・23・25・26日

下刈り・除伐・間伐

 今回の現場は船上山・屏風岩(上の写真)と一風変わった観光場所のある赤碕町有林で下刈り・除伐・間伐の作業を行ないました。
 間伐は杉や檜が大きく育ってきて、木と木の間が狭くなったため、成長の悪い木や風や雪によって先っぽが折れてしまった木を伐採する作業です。除伐は杉や檜の林に生えてきた雑木を伐採する作業です。そして、下刈りは除伐や間伐をする為に木の下に生えている邪魔な草などを下刈り機で刈っていく作業です。
 今回、ご指導して下さる班は月給制の班で超ベテランの指導員(以後、親方と書きます。)の方と将来の鳥取県中部の山を守る若き作業員5・6名です。この時、気付いたのは若い人が多いということです。マスメディアなどで農林業の老齢化の問題を取り上げた番組を見たことがありました。農作業では自分より若い人はほとんど見たことがないのに、この作業班は指導員の方を除けば皆、自分と同世代のIターン、Uターンの方ばかりでした。理由を尋ねると、「技術を次世代に残す」ということで、若い人を雇うと補助金がでるからだそうです。
 農山村を維持していくには補助金は不可欠です。しかし、今までみたいに意味の無いダムや道路にお金を使うよりは このように人というソフトにこそ使う意味があるのではないかと感じました。そのほうが矛盾の無いお金の流れが出来、経済効果が表れるのではないかと思うのです。
 まずは下刈り機で下草を刈っていく作業です。草刈り機を使っての作業と違う事は笹などの草だけではなく、細い樹も切ってしまうことと、刈った草等を等高線上に寄せてしまうことです。草刈りみたいに草の下のほうを切ってしまってはその場に溜まって、後が続かなくなってしまいます。適度な長さに分散して刈り取って、下刈り機の円盤の上の部分に乗せるようにして、谷側に等高線上に寄せていきます。これだけでも、難しいのに、太い樹や石を避け、細い樹でも杉や檜はもちろん切らずに下刈りしていく事は大変な困難を極めました。下刈り一つをとっても職人の技です。
 除伐・間伐の作業ですが、通常チェーンソーで行ないますが、チェーンソーを使うには講習を受講していなければいけないということなので、チェーンソーを使わず、手ノコを使って、この作業をしました。太い樹はもちろん無理ですので、直径40cm位までの雑木を切っていきます。倒したい方向と垂直にかつ、切り口は水平面に切っていきます。最初のころは思ったところに倒れてくれず、最悪の時は他の樹に架ってしまい、伐採するのに非常に難しい形にしてしまい、親方に伐採していただきました。何本も倒していくうちに慣れ、ほぼ思った通りに倒せるようになりました。
 等高線上に尾根から尾根にたどり着くと、次は一つ下の等高線の樹を切りに行きます。
 一日中、チェーンソーと下刈り樹の音が山に響く中、僕らの周りだけ「ギコギコ」というノコギリの音が淋しげにしていました。
 数日間、作業を続け、山仕事にも慣れ(家に帰って、家事が出来るくらいにばてなくなりました。)、森林組合の仕事の良さみたいなものが、分かったような気がします。

6月9日

下刈り・森林組合の方と飲み会

 鳥取県中部森林組合の会合(?)で 関係者が数十人集まり、三朝町の木地山で下刈りをしました。前回紹介した下刈りとは違い、昔ながらのやり方 薙刀で下刈りを行ないました。下刈り機で行なうより時間はかかりますが しっかり研いであったので思う通りに切ることができました。また、薙刀の利点は急斜面の時ほど使えることです。急斜面で下刈り機を操るのは困難ですが 薙刀ならば何とかできるからです。
 午前中は大人数で作業をしたので 思ったより早く済みました。午後からは楽しみな慰労会です。
 慰労会は三朝町の森林組合の施設で行なわれました。特に印象に残ったのは皆さんのカラオケの曲が‘青い山脈’‘与作’等、山に関係する曲が多かった事です。「皆さん本当に山が好きなのだな。」と 思いました。

6月22・23日

間伐そして搬出

 この辺りの山の風景で最も気に入っている関金町で間伐とその搬出の作業を行ってきました。
 間伐する木を倒し、その木を玉切り(運搬機で運びやすいように丸太にする事)をして、運搬機で林道まで運び、ユニックを改造した木を掴み上げる重機でトラックに運び上げる作業です。
 この運搬機に一番驚いてしまいました。テレビで手動の運搬機を見たことがありましたが、このように完璧な無線コントロールではなく、操作する作業員が一人、フック掛けをするのが一人、林道で外すのが一人と三人で作業を行なっている場面でした。しかし、この無線コントロール運搬機ですと二人で全ての作業ができるのです。
 現在、海外の安い輸入材木に圧され、間伐材はコストを抑える為に、いかに早く、少人数で数をこなすかが、重要に成るのです。

 はじめに指導員の方にチェーンソーで玉切りの仕方を1、2回 教わり、実践し(チェーンソー講習を受けていないので一人では扱えません。)、玉切りした木材を運搬機の鎖に結び、リモコンで操作をして、林道まで上げました。
 運搬機を使用中の注意点は
・運搬機と木材の直線上に立たないこと。(ワイヤーが切れた時に飛んでくる為)
・ワイヤーを結ぶ時にできるだけ坂の上からかけること。(崩れた時に転がってくる為。)
等々。他にも色々な過去の事故を教えていただき、注意して、この作業をしました。
 マニュアルを頭の中で反芻しながら、斜面をあっちへ行って、掛け。こっちへ行って、掛け、を し続けました。生憎の空模様もあり、かなり、疲労してしまいました。

 その後は林道まで戻り、重機の操縦方法を教わり、扱ってみましたが、大事な間伐材を破壊しそうになったり、カタツムリに追付かれるほどのスピードでしか作業ができず、迷惑をかけてしまいました。

 このチームも農業高校の林業課を出た、若きエース 二人でした。地元の若者にこのような仕事がいつまでも就けれるように、日本の林業をどうしたらよいか、考えていかなければならないと思いました。

7月13・14日

チェーンソー研修(学科・実地)

 鳥取県中部森林組合様の御好意でチェーンソー研修を受講させていただく事になりました。この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。

 鳥取県は平野部が少なく、山間部が多いので、電気・道路・建築等々の現場でチェーンソーを使うことが多いみたいです。そのためにいろいろな会社の皆さんが受講しに来ていました。
 一日目は学科です。一日中、屋内で勉強です。一日中、睡魔と闘っていました(何度か負けてしまった。)。一日中、講師の方はチェーンソーの危なさや木との付き合い方等々をおしゃべりになっていた。おかげさまで、林業の難しさや楽しさを勉強できたと個人的には思っています。
 二日目、実地のはずが受講人数が多すぎるということで、ビデオによる研修やチェーンソーの構造の講義を受講した。構造の講義は結構面白かった。

 これで明日からはチェーンソーを使えるので、山に入って、やることが増えるのでうれしい。

8月26日

山の祭り準備

 中部森林組合の山の祭りの準備に倉吉へ。
 テント・本部席や入場門が間伐材を利用してあり、いかにもという感じで、明日の祭りが楽しみです。

8月26日

森林組合 山の祭り





 森の祭りは大盛況で特にクラフトは大人気で夏休み最後の日曜日ということで子供の自由工作にする為か、大勢の方が釘とげんのうを持ってトントンしていた。また、丸太早切り競争や林業関係機械の販売・キッドミニハウスの展示販売など森林組合らしかった。

10月4・5・6・16・17・18・19日

地ならし

 久々の森林組合の仕事だ。地ならし。雑木林を切り開き、植林の準備をする作業です。まずは下刈り機で下草刈りを行い、チェーンソーで雑木を切り倒し、切り倒した木で棚を作っていきます。
 雑木を倒すにも棚を作る事を頭に入れ、倒していくのが大変です。思った所に倒れなかったら、その木を何等分かに細切れにし、棚とする所に人力で運んでいかなければいけません。また、上手く倒れた木でも棚からはみ出した枝を切って棚の枠に入れるのはチェーンソーの扱いになれていない自分には困難で何度も切断中にチェーンソーが木の間に挟まれ、親方を呼んで他のチェーンソーで脱出させていただきました。

10月4日
  今回はチェーンソー講習を受講し、扱えるようになったので下刈り機ではなくチェーンソーを扱って一日雑木を切ることになりました。なかなか見た目よりも難しく、切っている途中チェーンソーが木の間に挟まれ抜けなったり、水平面に切れずに思った方向に倒れてくれなかったりとなかなか上手く出来なかった。

10月5日
 二日目、筋肉痛。山仕事はやはり辛い。今日も一日、雑木との格闘。親方にいろいろ親切に指導して頂き、かなり勉強できた。アケビや山栗があり、山仕事は秋を確認できる気持ちのいい仕事と思えるようにもなってきた。

10月6日

 今日もまた、雑木との語らっていた。そして、鳥取県西部地震に遭遇した。
 チェーンソーを片手に、親方の指導の元、松喰い虫にやられて腐った巨木を切ろうとする前でした。親方が見本を見せてくれようとしたその時に地震は起きました。「ドーン」という音(縦揺れの音)でまず自分が気づき、チェーンソーを持っている親方は、その後の揺れと自分の「地震だ。」という一言で気づいたみたいでした。その後の揺れはすさまじく、近くの切り株におもいっきりつかまり、山の木々の様子を見ていました。初めて地震を見ました。木々が左右に揺れ、腐った松が千切れて飛ぶんじゃないかと思うほどの揺れでした。
 無事だったのでいえることですが、良い経験ができました。

10月16日

 昨日のバレーボール大会ですでに筋肉痛。その上、きつい山仕事。
 山を開けていく作業は豪快で大木が自分の狙った場所に「ドーン」と倒れていくのは超快感です。しかし、狙った所を外れ腐った松の木に当り、当った部分から折れ、下で作業している人の近くに倒れていった時には冷汗と震えが止まりませんでした。山仕事は細心の注意で行なわなければ死に直結する厳しい仕事だと思い知りました。
 しんどい一日でした。

10月17日

 親方にチェーンソーの扱いが上手くなったと言われ、嬉しい。

10月18日

 きのこをみつけたが食えるかどうか判らない。残念。

10月19日

 親方と今の農業の問題点・課題点などを作業の合間に話をした。又、いかに地ならしを速くやるかを常に頭に入れてやること。それが進歩するこつとのこと。

12月19日

東伯町公文で枝打ち


 初めての枝打ち作業です。1.5m程の梯子を登り、通称「木登り君」というチェーンを木に巻いて作る足掛けを二つ肩に掛け、背の高さくらいに巻いて上に上に登って約7mの所まで枝打ちしました。のこで二度ほど腕を切ったり、恐怖の強風を受け、木の上で船酔いみたいになったりしました。
 高所での枝打ちは最初は登るだけでも体力を使い、登って下をみると恐怖、枝を打てば手を切ってしまう。と、いうような悲惨な作業でしたが、慣れてくるうちにコツを掴み、無駄な動きがなくなり、スムースに動きまわることが出来るようになりました。

12月21・22・25日

東伯町公文で植林

 植林のこつを教わった。鍬で深く、小さい穴を一回で掘ることだ。この短い言葉だが、やってみると容易い事ではない。山の地質やそのポイントの状況に大きく左右され、木の根や岩があるととても一回では掘れないことが多いのです。しかし、親方はもちろん作業班の若い人たちは予め予知しているかのように地面の下がわかっているようで、見事に一回で掘ってしまうのでした。
 植林作業は皆無口になり、静かな作業だ。伐採みたいに花のある作業ではなく、地道な作業です。そこで、この作業班の方は一日の植林本数の最高記録更新を念頭において、作業をするということでした。それがとても面白く、山師の知恵だと思った。
 最終日は一日中、雪の中での作業でした。夏の暑い時より寒い日のほうが疲労の度合いが少なく、快適に行なう事ができましたが、地面はドロドロになり、今までで最も車に乗りたくない汚い格好になってしまいました。

12月26日

赤碕町大父木地で枝打ち

 昨日からの雪で辺りは真っ白でした。
 現場の大父木地までは通常ならば二十分で到着出来る距離ですが、山を越える近道が通行禁止になっていて、海岸線の道まで回りこまないといけなくなり、45分もかかってしまい、遅刻をしてしまいました。
 親方はしっかり待っていましたが、作業班の若者達は自分達より遠方から来る為、それから二十分後に到着しました。
 こうして、今日の一日が始まりました。

 写真のように雪が積もり、深いとこでは40cmにも達していました。
 雪の中、作業便場までの移動は ただでさえ斜面の移動は大変なので、到着するまでにかなりのエネルギーをつかってしまいました。
 大雪の中、急斜面での枝打ち。寒くてたまらないと思っていましたが、結構は何ともなくすることができました。
 ただ、寒さの為手の力加減がわからずに勢い余って、のこぎりで腕を二箇所切ってしまいました。血が手袋を染めるほど出血しましたが、それほど深くはなく、そのまま枝打ちを行ないました。
 そののこぎりを移動中に雪の中に落として、なくしてしまいました。散々、探し周りましたが雪の中に深くはいってしまい見つけることはできませんでした。

 こうして、一年間の森林活動は今回をもって終了する事が出来ました。大いに勉強する事ができました、中部森林組合の皆様、大変ありがとうございました。

H O M E


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