農業のこと(4月〜6月)
4月17日
二十世紀梨交配作業
 鳥取と言えば梨、鳥取と言えば二十世紀でしょう。このプログラムのメーンイベントの梨園での作業です。
 梨園に到着すると、一面に広がる真っ白な梨の花。この綺麗な花が農作業経験が全く無い僕の不安な気持ちを 拭い去ってくれました。
 梨園の方と挨拶を交わし、一通りの作業方法を聞き作業開始。
 筆と梨の花粉が入った竹筒を渡され、見本を見せて頂いた。筆いっぱいに花粉をつけ、一箇所に五つくらい 咲いているのだが、その三番花・四番花・五番花にそれを付けていった。一番花は扁平で早熟で、五番花は長細く遅熟で 出荷する梨として失格なのだそうです。
 軽く、滑るような手つきで一花に二度くらい花粉を付けていった。多く花粉をつけた方が競争になり、いい梨が できるそうです。行う作業は単純ですが、一本の木に花が約五千も咲いているのだから大変です。また、 花が咲いている期間は短く、その期間中にすべてを終わらせなければいけません。梨園にとって春は交配、小袋掛、 大袋掛と大忙しの時期です。
 農家の時間割には10時と15時の休憩があります。この時間が大変好きで、農家の方と色々な話をしたり、 軽く睡眠をとったりと楽しい時間を過ごせれます。
 日本海を見下ろし、ウグイスの鳴き声を聴きながら、多くの人夫さんと一緒に行う交配作業は大変楽しく、 久しぶりに仕事で清々しい気分になりました。
 これから先、色々な作業を行い、おいしい梨ができるのが非常に楽しみです。
4月19日
家庭菜園
    
 JAの計らいで、『尾崎家自給率アップ計画』発足。JAのバイオセンターという所の土地で家庭菜園をやることに なりました。家庭菜園というには相応しくない広さの土地です。
 まずはいろいろな種類の肥糧を均一に播き、次には畦上げ。初めて鍬を使う僕は勝手がわからず、センター長 に教えをこうむり、こつをつかみ、スピードアップ。立派な畦が出来上がり、キュウリ・カボチャを定植。家庭菜園と いう名の農園が出来上がりつつあります。
4月20日
二十世紀梨交配作業2
    
 梨園では交配作業を続けていて、もうすぐ花が散ってしまう時期です。大勢の人夫さんと淡々と交配作業。 雨が降り始めるが作業を続ける。雨の為、筆は花粉がべたつき、受粉ができず何度も筆を変えるがしっかりと受粉 できているか心配です。
4月22日
家庭菜園2
    
 この日はジャガイモの植付け。イモを切って、切り口に灰を塗って植え付けました。こんな風にイモが増えるとは 知らず、少し感動しました。土地とイモの食い残しがあれば無限に増えるということじゃないですか。うーん、 ジャガイモはえらい。
4月25日
二十世紀梨接木
 鳥取県といえば二十世紀梨が有名だが、近年老齢化による梨生産者の減少により、昨年千葉県に生産量日本一の座を 奪われました。それで鳥取県は県の事業として梨園を新たに造成し、今年からその生産者を県内外より募集する事に なりました。その梨園造成に関係する作業をタイムリーに行なうことになりました。
こちらに来て初めて知ったのですが通常の二十世紀は自分の花粉では受粉できなく、かつ黒斑病という病気に 弱いのだそうです。梨の接木作業は新しい梨園に植える木を作る作業です。もちろん、通常の元木に、黒斑病に強く (ゴールド二十世紀)、自分の花粉で受精できる(長二十世紀)穂木を繋ぎます。
 作業方法は穂木を芽または蕾が三本つけた部分で斜めに切断し、元木に切れ目を入れ、切断した穂木を突き刺します。 双方の樹皮を合わせて、テーピングします。これで完了ですが、斜めに凸凹なく切断すること、樹皮の合わせ目が ずれないようにテーピングすることがかなり難しい。
 この作業を一日がけでJAの職員の方と2人で200本しました。この二十世紀梨の木が将来の鳥取の梨を 引っ張ってくれればと願います。
4月26日
梨袋販売積込
 梨の交配作業も終わり、受粉が終わり小さい実がなります。この実に小袋を掛けます。名前の通り、大袋掛も実が 大きくなったらやります。
 この袋を取りに梨の選果場にくる生産者の皆さんに袋を渡す作業です。軽トラやバンで来る生産者さんの車に 指定された袋(何種類もある)を積み込んでいきます。紙でできていますが、量が半端な数ではなく、重たいので 結構しんどい作業でした。
4月27日
家庭菜園3
 今日の作業で『尾崎家自給率アップ計画』の基礎がほぼ完了。14種82本の苗を植えた。この先、どのくらいの 収穫があるのか?楽しみでもあり、不安でもある。前にも言ったがこれは家庭菜園という名の農園である。
5月3日
家庭菜園4
 今日もまた苗を13本植えてしまった。内容は ウリ3本、メロン5本、スイカ5本です。まだまだオザキ農園は 拡張していくのか?こうご期待!
5月3日
マルチ米施肥
 紙マルチ栽培米とは、鳥取大学名誉教授 津野幸人氏が開発した新しい稲作方法で水田に紙マルチと呼ばれるシートを 敷いて、その上に田植えをする栽培方法です。マルチによって稲以外の田んぼ表面にあたる日光を遮断し、雑草の発生を 抑えるので除草剤を完全に使用しなくてよいという画期的な栽培方法として、全国でも注目を集めています。
 この水田に田植え前の肥糧を振ってきました。肥料は有機肥料でペレットにされたものです。これを水田一面に均等に 撒きました。この後、田植えをして秋には立派な稲穂がでることでしょう。
5月9日
マルチ米田植え
 今日はマルチ栽培米の田植えのお手伝いです。田植え機を使って、ごく普通の光景ですが一つだけ違うところがあります。 この田植え機にはロール状の紙が取り付けてあります。このロールが紙マルチです。田植え機がまずマルチを敷き、 その植えに苗を自動的に植えていきます。
 通常ならば夕方には終了する作業です。
が、しかしこの日は田植え機の故障で、苗の植える爪の調子が悪く、苗がマルチを突き抜けれなく、 マルチの上で苗が寝てしう状態になってしまいました。こうなるとこのマルチが邪魔になり(苗が倒れたところまで 行くにはマルチを踏まなければならずせっかくのマルチが破れてしまう。)長い竹の棒を持って、一本一本その竹で苗を 起き上げて突き刺していかなければ成らなくなり、終了したのは20時近くでした。
 このマルチ栽培米は苗のときに一回だけ消毒しただけで、今後一回も農薬を撒かない無農薬栽培です。収穫後も 氷温保存され、かなり美味しいお米です。
5月10日・12日・14日
二十世紀梨摘果作業
 滴果して一つにします。



 梨の実は樹に近いほうから一番果、二番果、三番果…といいます。数字が小さいほど熟しが早く形が長細くなります。数字が大きくなると熟しが遅く横長の形になります。形の良い梨を作るには四・五・六番果くらいのものを残し、他を摘んでしまいます。これはあくまでもマニュアルで霰に当たったものや同個所に葉が少ないものも摘んでしまいます。また、今後大きくなった時に棚のワイヤーに当りそうなものや樹生を考えた敵果作業を行ないます。

 書いてみれば簡単なことですが、一本の樹に400〜600個所、そして畑に何十本もの梨の樹がある中、猛スピードでこの作業をするのはやはり職人芸です。農家の方は自分が一本の主枝(樹には三本の主枝が残してあります。)を摘果している間に一本の樹を滴果してしまいます。
 僕が摘果をした後を見てもらうと農家の方は「この実は大きくならない。」とか「これは上に実っているのでとろう。」とか言ってどんどん落としてしまいました。僕なんかにはすごくもったいない気がしましたが、これは梨の大きさが売値に大きく影響がある為、わざと一本の樹につける実の数を適度に少なくして、ついている実にいく養分を多くさせる為だそうです。
 実りの秋が楽しみでしょうがありません。
5月16日
よもぎ保存試験用サンプル採取
 今、隠れてヨモギがブームになりつつあるらしい。現在、草餅などに日本で使われるヨモギはほとんどが中国産で、品質が悪く、市場としても国産品で品質が良く、かつ、揃ったものが望まれています。需要も高く、どこかは忘れてしまいましたが畑でヨモギを生産してインターネットに載せたら即日完売したらしいのです。この現実からJAとうはくでは休耕畑等を利用して、新たな農産物として利用できないかと目をつけたのです。
 生産に向かっての保存試験用サンプルを採りに一向平や光好ゴルフ場近くの畑脇に行きました。目標10Kgです。採取をしていくとヨモギでも何種類もあることに気がつきました。図鑑で調べると約30種類もあり、困ってしまいましたが、2番を除くもので集めていく事にしました。あちこちで集めましたが、何せたかが草です。袋いっぱいにしても精々数百g一日中やっても3〜4Kgしか集める事はできませんでしたが、色々な事を元に将来の農業のことを常に考え、実行しているJAとうはくに感動しました。
5月17日
家庭菜園5
 キュウリ・トマトの誘引やジャガイモなどの畦上げをしました。5月上旬の寒さにあたり、育成不良のもでてきました。でも、ある程度実らない方が僕らの為ではないかと思っている自分もいます。何せものすごい量ですから…!
5月22・29・30日
二十世紀梨小袋掛
 二十世紀梨は摘果が終わって、二十日ほどすると小袋掛けをします。これは害虫や病気から実を守る為と、直接梨に農薬をかけない為で、この時期梨農園では何人もの人夫さんを雇って、この作業が行なわれます。
 腰に箱を巻き、その中に小袋を入れ、箱の脇にはロウが塗ってあります。左手の指の先にロウを付け、小袋を素早く箱から引っこ抜き、実に被せます。そして右手で小袋についている針金を実の元の部分に括りつけます。
 この作業は「一枚掛けて、いくら。」の作業で人夫さんたちは真剣です。特に熟練な、おばちゃんたちは まさに 目にも止まらぬ早業で次々に袋を掛けていきます。
 僕はというと 箱から袋を出すだけでも手間取り、挙句の果てにはいつの間にやら隣の樹の袋掛けをしていたり、掛け忘れた実があったりとろくな仕事は出来ませんでした。
 この作業で一番難しく感じた事は一本の樹を満遍なく一周することです。枝が左右に行き交い、葉がいっぱい生い茂っているので、途中で、分からなくなってしまうのでした。
 休憩の時間にはおばちゃんたちとおしゃべりをし、コーヒーを飲み、楽しい時間を過ごしました。
 摘果の時も気付いたのですが、農家の方および人夫さんのほとんどの方がお年をめされています。10年後、この梨園にとっての繁忙期に手伝いに来て頂ける人夫さんは集まるのだろうか?日本の未来の梨のことが心配になりました。
5月24日
家庭菜園6
 今日も新たな作物を植え付けました。大豆です。20mの畦を8本も造ってしまった。いったい、どれだけの大豆が実るのだろうか…?
5月31日
小梅の選果
 東伯町では梅の生産もしています。今日は小梅の選果の作業をしました。まだまだ、生産農家も少なく、手作業での選果です。
 親指の爪ぐらいのものより少し大きいものをふるいに掛けて、大きさごとに分けていきました。この作業で一番辛かったのは農家の方が取り忘れたへたを取り除く作業です。親指の爪くらいの小梅の中から爪楊枝くらいのへたを取る事は不器用な僕には非常に困難を極めました。
 「細かい作業はつらい。」と思いました。
6月5・6日
梨園回り
  二十世紀梨の梨の状況を見に各梨園を周りました。土作り、肥、手のかけよう、いろいろな要因が考えられるますが 梨園によって発育が全然違います。そこが梨作りの面白いところだと思います。
6月8日
家庭菜園管理7


 さつまいもを植えました。
 全然知らなかったのですが さつまいもは五本くらい葉がついた茎を植えるです。根が一本もついてないのに育つのか不安です。

6月16日
いすの苗木採取
  初めて知ったのですが、イスと言う名前の木があります。今日はその苗木を採取しにいろいろなところへ行きました。この木を新しい梨園の防風林に育てるのです。梨園の脇、果樹試験所の防風林の脇から生えている一年樹・二年樹のイスを持ち帰り、JAのバイオセンターである程度の大きさまで育ててもらって、防風林として、梨園の周りに植えます。
 新しい梨園の造成地にこのイスの木が防風林として並ぶのを見てみたくなりました。
6月16日
家庭菜園8
 夏野菜が採れてきました。トマト・ピーマン・ナス・パプリカ・シシトウ・ミニトマトと元気良く、育っています。当分の間は野菜を買わずに済みそうです。
6月19日・7月3・4日
梅選果
 小梅の時は手作業で大変でしたが、梅の選果は仕分け機を使って行ないました。梅を機械の上を転がすと勝手に仕分けされて、出てきます。後は各生産者ごとに等級ごとの数量を控えていくだけです。まだ、梅に取り組んで間もないJAとうはくはグロスではまだまだ少なく、手作業ですが、将来的には生産者も増え、町の主な農産物にしていきたいとのことです。
 鳥取県の農産物の主な出荷先は大阪になります。大阪を見据えて販売をしなければいけないのですが、大阪の近郊にはかの有名な紀州の梅があり、なかなか販売しにくいとのことです。
6月19・20・26・29日
梨大袋掛け

 およそ一ヶ月前に掛けた小袋が破れるくらいに大きくなってきました。このままでは本当に破れてしまい、病害虫にやられてしまいます。そこで大袋を掛けます。
 小袋はワンタッチシールになっているのでそれなりに掛ける事ができましたが、この大袋は針金で締めるので結構時間がかかってしまいました。
 一日中、掛け続け、何百と袋を掛けると悟りの境地に陥るというかなんか不思議な気分になっていきました。
 少しずつでもいつのまにか大きくなった二十世紀梨がいとおしくなりました。
6月20日
ブドウ園まわり
 ピオーネと巨峰のブドウ園回りをしました。
 梨と同じで、各園によって、成長は様々でした。ひときは大きく、翡翠(ブドウは紫色になる前は淡い緑色です。)のように輝くぶどうの吊り下がっている園がありました。ずぶの素人の僕が見ても、ここのブドウは一目見ただけで他の所とは違う事がはっきりとわかりました。これは大きくて美味しいブドウが取れるだろうと素人ながら思いました。
 しかし、生産者の方のお話を聞くとこの時期にこれだけになってしまうと、不安だと言っていました。
 僕には何を意味するかわかりませんでしたが、農業も奥が深いということをなんとなく感じた一日でした。
 梨農家の方には「梨を作れ!」と言われ、ブドウ農家の方には「ブドウを作ってみたら?」と言われます。皆さん、自分の作っている物に誇りを持っているのがひしひしと伝わってきました。
6月21日
家庭菜園管理9

 大豆の畦上げをしました。20m・8本の畦上げはかなりきつく、思ったより時間を使ってしまいました。
6月30日
梨肥大調査・天敵農薬効果調査
 二十世紀梨園を廻って、今年の生育状況を調べました。自分は初めてなので、比較対象となる知識が全くないので、只 JAの職員の後をついていっただけでしたが。
 総評はほぼ前年並みということで、皆さん安心していました。去年は玉太りが良く、豊作だったそうです。しっかりとした、防虫・防除と今後のお天気次第ですが、今年も良い二十世紀梨が取れるみたいでした。(この時点では。)
 午後からは 県の果実試験場から依頼されて、テントウムシによる天敵農薬試験の実験をしている梨園にお邪魔しました。わざと防虫剤を撒かないで、テントウムシの卵を枝の下の袋に入れて、孵化させ、ほかりっぱなしの枝と比べるという調査をしました。
 一人あたり数本の枝のアブラムシをカウンターで数えていきました。何もしていない枝には2,000から3,000匹もいました。想像してください、えらい手間のかかる作業です。天敵(アブラムシ)のいる枝ではおよそ600から2,000匹という結果になりました。
 結論としてはやらないよりはやった方が良い?でした。テントウムシの数を倍くらいにしたら、結果がでるのではないか、とのことでした。
 農産物全般にいえることですが、特に永年作物(梨やブドウのように同じ苗や樹で何年間も実を採る作物)は 今、防虫・防除をしておかないと来年の収穫に影響があります。その為、農薬をどうしても多くかけることが必要です。
 しかしその一方で、無農薬への挑戦は少しずつではありますが進んでいっています。個人的には人体にはもちろんですが、環境にも影響のない農業ができる時代になればと思っています。
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